ガソリンカー

 

 『電気自動車』を盛んに売り出している現在、肩身の狭い思いをしているのが『ガソリン自動車』………の『自動車』の事じゃ無くてですね、線路上を走る軌道車両の『ディーゼル車』に対する『ガソリンエンジン』を動力源に走る軌道車両の事です。

 

 『蒸気機関』が発明され(ワットさんのお陰です)、移動・運搬手段に革命が起きました。

 

 大量・高速移動の手段として『鉄道』がもてはやされ、日本各地、地方都市や山間部にまで鉄道網が構築されつつ在りましたが、『自動車』の台頭と、蒸気機関の公害問題により『ガソリンエンジン』若しくは『ディーゼルエンジン』を動力機関に持つ車両が開発されました。しかし摩擦係数の小さな『鉄道&鉄輪』にとって『ガソリンエンジン』は必ずしもコストパフォーマンスに優れた訳では無く、『低速回転トルク』の強い『ディーゼル機関』に分があった様です。

 

 極短期間、限られた場所を走っていた『ガソリンカー』が『JR小海線』の前身となる『佐久鉄道』を走っていたことは意外と知られていません。

 

 

 『旧中込小学校』に隣接する『成知公園』にはその貴重な車両が展示保存されています。

 

 

 『旧中込小学校受付』で申し込むとフェンスの鍵を開けてくれて、自由に見学できます。

 

 

 前後に運転席が在るって事は『単独車両』で運行されていたからでしょうか。

 

 『ブレーカー』が在る方が主席かな。

 

 で手回し式(丸ハンドル状)の『機械式非常ブレーキ』が前後に着いています。

 

 

 鉄道車両を運転した事ありませんから解りませんけど、一頃流行ったゲームに『電車でGO』が在り、数回チャレンジしましたが私には向いていなかったのか余り面白いとは感じませんでした。

 

 電車の運転は基本『慣性走行』です。

 

 現行車両の多くは『マスターコントローラー(通称マスコン)』を前後に倒す事でアクセル動作とブレーキ動作に対応しています。

 

 蒸気機関車の時代では『左手マスコン』に『右手ブレーキレバー』がそれぞれ独立していました。

 

 『マスコン』は自動車の『アクセル』に相当し、発車・加速時の『POWER ON』に使います。或る程度のスピードになったら『慣性走行』で停車位置を目指します。モチロン途中に上り坂などが在れば車速は落ちますので『マスコン』により加速が必要になります。

 

 駅のホームが近づくと『ブレーキレバー』を操作して減速し停車位置に止めます。

 

 此処が運転技術の差が出る処で、上手い運転手さんの技術では極端なGを感じる事無くピタリと停車位置に停めます。都内で電車通勤をしていた頃、吊革に摑まっていても身体が持って行かれるような運転する車両に乗り合わせると「新人運転手さん。頑張れよ~」と心の中で声援を送っていました。決して「ヘタクソ!」なんて………。

 

 

 シートは張り替えられたのでしょう。座り心地もそれ程悪くありません。

 

 只、『吊革』には触れないで下さいと張り紙が在ります。一部欠損している処を見ると誰かぶら下がって壊したな。

 

 

 レール脇から覗き込むと、大きなエンジン部分が災いしてか、動輪の大きさの割にかなり台車高が高く感じます。 エンジン出力はどれ位何だろう?

 

 しかし燃料の『ガソリン』搭載量も多く、ひとたび事故が起きると火災の危険性が問われ、自然『ディーゼル機関』へと移行していきました。

 

 現在『DMV=Dual Mode Vehicle』が『徳島県・阿佐海岸鉄道』を走っています。

 

 一般道路は『ゴムタイヤ』で走行する自動車ナンバープレートを習得した『バス』ですが、線路区間では『鉄輪』による『鉄道車両』として走行できます。

 

 免許は陸運局発行の『大型二種自動車運転免許証』と『動力車操縦運転免許証』が必要な筈ですけどどうなってんのかな。

 

 興味在る人は調べてみてね。

 

 因みに『諏訪湖』には『水陸両用バス』も走っています。

 

 いきなり『諏訪湖』に入って行く様は圧巻。(乗った事無いですけど)

 

 此方に必要な免許は『大型二種』と『船舶免許』 免許習得も大変だ~。