水車場

 

 『水車小屋』とかじゃ無くて『水車場』です。

 

 案内にそう書いてあるんだもん。

 

 しかも現在は、石垣が少し残されているのみ。

 

 

 『戦争疎開』の『高濱虚子』が好んで散策した『蛇堀川』沿いの、緑濃い場所です。

 

 国道下のトンネルを潜れば、細い道は二手に分かれます。

 

 水の流れに沿って左に向かうと。

 

 

 『虚子』の疎開宅から歩いて15分程でしょうか。

 

 そりゃ戦時中には『国道18号線』のトンネルなんて無かったでしょうから、沢沿いの所によってはぬかるんだ道を歩いたのでしょう。

 

 『澤の家』とある位ですから屋号かな。 と云うと『蕎麦屋さん』?

 

 今風に云えば人里離れた『隠れ家的存在』なのかも知れません。

 

 水車の廻る『蕎麦&カフェ』なんて、SNSで人気でそう。

 

 

 沢を流れている水はチョロチョロ。とても水車が廻っていたとは思えません。

 

 『お蕎麦自慢は お里が知れる』と云う諺が在りますが、逆を返せば『蕎麦しか作物出来ない、水も無い痩せた土地』と云う意味です。

 

 水が在って平らな土地なら『水田』に。 水が在るけどやや斜面なら『畑』にします。

 

 どうしても『お米』が必要なら、傾斜地に狭い『田圃』を幾つも造り『棚田』にします。

 

 『麦』や『蕎麦』は水が無い荒れた土地でも耕作出来る農作物です。(他に稗・粟なんかもありますか………)

 

 『小諸』と『蕎麦』 真っ先に思い出すのは『懐古園』の旧遊園地(現在駐車場)脇に在る『草笛』の『くるみ蕎麦』です。そこそこのお値段だったので滅多に食べられませんでした。

 

 『くるみ』をすり鉢で擦り、蕎麦つゆを入れて食べる『くるみ蕎麦』が美味いの何の!

 

 高校生になり、『柔道』の大会参加などで『小諸駅』を使う時によく食べのが『4番線ホーム(小海線)』に在った『立ち食い蕎麦』の『生そば』です。

 

 冬何ぞ、横から吹き付ける吹雪の中、『蕎麦大盛+かき揚げ天ぷら+生卵=¥400』を食べるのが至福でした。買った時しか贅沢できない。負けたら『かけ蕎麦=¥180』のみ。

 

 ぶっきらぼうなおばちゃんが居て「ネギは?」と聞くので「沢山いれて」 

 

 すると多分捨てる部分なのだろうか『青い所だけ』をまな板の上で刻みだします。

 

 蕎麦を受け取りお金を払うと、風が入るからでしょう『箸立て』をドンと置いて小さな窓をぴしゃりと閉めました。

 

 こっちは風の吹きすさぶ中、震えながら食べてんのにサ。

 

 「おばちゃん、唐辛子ちょうだい」 トンと置いて窓がピシャリ。

 

 食べ終わって「ごちそう様」と云っても「ありがとう」の一言も無し。

 

 『ク〇ババぁ~』と思いながらも、その後何度か食べました。(其処しか無かったから)

 

 最近『しなの鉄道小諸駅』に『立ち食い蕎麦』が再オープンしたそうです。

 

 今まで3回訪れましたが何時も『店休日』

 

 玉屋の定休日(不定休ですが)が水曜日ですので仕方ないのですが………

 

 サボっちゃおっかな。