『諏訪大社』に『下社』と『上社』があるのはご存じでしょうか。
『諏訪大社』に祀られる『諏訪様』とは夫婦・二柱の神様で『下社=八坂刀売命(ヤサカトメノミコト)』は奥さん。 『上社=建御名方命(タケミナカタノミコト)』は旦那さんを祀っています。(別居中?)
尤も『上社』の境内に『建御名方命』が摂社として祀られていますし、『下社』に『八坂刀売命』が祀られています。
此の『建御名方命』は『出雲大社』に祀られる『大国主命』と『糸魚川・奴奈川姫』との間に生まれた子供で、『邇邇芸命』が天孫降臨の際、天の神が使者として送り込んだ『建御雷神(タケミカヅチノカミ)』と力比べをして負けてしまい『出雲』を離れ『諏訪の地』に移ったとされています。
厳冬期に諏訪湖が全面凍結し、盛り上がって氷に割れ目ができると『御神渡り』と称します。『諏訪上社』から『諏訪下社』の奥さんの元に『建御名方命』が逢いに行った証だそうです。
昨今、暖冬傾向で『御神渡り』が出来なく無くなりましたが………(まぁそこは神様ですから空も飛べるしワープも出来るって事で)
因みに『下社』には『春宮』と『秋宮』が在りますが共に『諏訪市』 『上社』の『前宮』は『茅野市』 『本宮』は『諏訪市』になります。
此の為『木落坂』も『諏訪市』と『茅野市』の二か所存在します。
『御柱』にも特徴があり『下社御柱』は丸太のままですが、『上社御柱』は『メドデコ』と呼ばれる『柱』を二本角状に取りつけます。坂を下り『川渡り』をするのも『上社御柱』だけです。
で今回は『下社・木落坂』です。
国道142号線はバイパスされ『木落坂トンネル』を走行するようになってしまいましたが、『砥川』沿いの旧道を走ると『下社木落坂』の裾を走る事が出来ます。
良く手入れされた斜面の上にひょこっと見える横たわった丸太がこの『御柱』です。
七年に一度の奇祭『諏訪・御柱』本番では、この石垣の『松』に綱を結び付けて斜面にせり出させます。『華乗り』と呼ばれる大勢の氏子が御柱に跨り『木遣り』が披露されると『追掛斧係・おいかけ』が『斧』で綱を切ると同時に大勢の氏子が御柱に取りつけられた太い引き綱を引っ張り『御柱』は勢いよく坂を滑って行きます。
決して安全が保障された行為では無い為、時には死者も出てしまいました。
古い石碑なども建っていますが、高圧電線がチョット無粋。
前回こそ『新型コロナ』での影響を受け、『七年目』では在りませんでしたが、無事翌年に『御柱』が執り行われました。
一生に一度は観てみたい神事です。