2019年佐久市東部に甚大な被害をもたらした台風は、『佐久は災害が無くて………』という概念を覆しました。
四方を山に囲まれた佐久平は、とりわけその西側に『八ヶ岳連山』が聳え立ち、強風や台風災害から守ってくれています。
しかし2019年。関東から北上した台風は長野群馬県境付近を移動し、山間部にそれまで経験した事の無い雨量を降らせました。
山間部に降り注いだ大雨は斜面を流れ落ち、崖崩れや樹木倒壊を引き起こしました。
倒壊した樹木は流れを下り、橋脚などに引っ掛かってダム化、流れを堰き止めた挙句に橋ごと倒壊、更に下流の橋に被害をもたらす連鎖を繰り返しました。
特に日頃は水量も少なく、あの沢が?と誰もが思うような小川が氾濫しました。
流石に被害後の復旧作業中に撮影に行く事は差し控えましたが、あれからおよそ10ヶ月経ち、様子を伺いに尋ねてみました。

集落の一角には庶民信仰の石塔が並んでいました。
『庚申塚』や『馬頭観音』『十九夜』など生活に密接しています。

『黄色い頭巾』を被っている笑顔のお地蔵様。正式名称『地蔵菩薩』
右手に錫杖を持ち、左手には『宝珠』を乗せています。
道行く人が迷わない様に六道界の辻々に立ち、道案内をしてくれています。
今風ならばマラソン大会のボランティア?(チョット違うか)
更に奥に進むと墓地の在る岩肌を見て、えっ!

墓石の並ぶ最上段に一部赤壁が見えました。
何気なく見てると、

『南無阿弥陀仏』と彫られています。
いや、人の背丈じゃ届かない。足場でも組んで彫ったのでしょう。
ズームかけて撮影したらブレブレで失敗。
墓所ですので両手を合わせ次に向かいます。