被災

 

 10月12日、朝から降り出した雨は昼から強くなった。

 

 TVでは台風接近を注意喚起する各報道が繰り返されている。 

 

 「直ちに生命を守る行動をとってください」

 

 佐久地方では250年ほど前の大水災害『戌の満水』によって甚大な被害が発生し、多数の犠牲者を出した。

 

 しかしその後の治水工事やダム建設などにより、佐久地方で水害が起きた事は無かった。

 

 「佐久はホントに災害が無くて」という言葉が挨拶になる位平穏な地域。

 

 それでも一応非常食やミネラルウォーターなどは常備してあるのだが、正直今回の台風でも個人的には何の被害も無かった。

 

 夕方、近所の一人暮らしの家を見廻った時も被害は何も無かった。

 

 その日は『山門市』でもあり、朝早かったので風呂上りに一杯呑んで寝てしまった

 

 翌13日、朝5時頃目覚めたので見廻りがてら『千曲川』まで行った。

 

 赤茶けた濁流が水位を上げていたが、まだその時被害が発生していたとは知らなかった。

 

 その後佐久の被災状況が報道され、私の中学時代の担任の住む『入沢地区・谷川』が氾濫、ライフラインの停止を知り、水や食料、携帯トイレなどを届けに行った。

 

 ボランティアと言えるほどでは無いけど片付けの手伝いをした。

 

 その後、店休日が割と温かい陽気だったのでバイクで各地を廻ったのが10月30日。

 

 まず『荒船山神社・里宮』でお参りしてから向かった先は『内山』しかし割と被害は少なかった様に感じた。

 

 次に『常田』

 

 一部、川の傍のアスファルト道路はめくり上がり、田んぼには土石の流れ込んだ跡やゴミが散乱していた。

 

 川の護岸工事に大型重機が入り、1t袋の土嚢が積まれていた。

 

 そして『佐久穂』

 

 

知人の住む『海瀬』の曲がりくねった『抜井川』は、護岸擁壁の上を乗り越え大きな石が田畑になだれ込んでいた。

 

なぎ倒された電柱と引きちぎられた電線は、手の施しようが無く残されていた。

 

脚橋に引っかかっている大木を取り除く為に、自衛隊員が川に入って作業していた。