一の鳥居を潜り、短い石段を上った先の広場。

 

 左右に二つの摂社が在り、真ん中に長い石段があるのだが………

 

 

 ハタと足が止まった。

 

 『貞子………』

 

 今までに観た事の無いモノ。

 

 井戸ではない。

 

 石組みの隙間が空いているから、何かを貯めておくものでもない。

 

 上段は浅いすり鉢状に窪んでいるが枯れ葉が溜まっている。

 

 何となく『千と千尋の神隠し』オープニング、親子が車から降り、トンネルに入る手前に置いてあった人面相の岩を思い出した。

 

 行ってもいいんだよね。

 

 

 杉の根の成長で大きくゆがんだ石段。

 

 それでも崩れ落ちていないから大したもんだ。

 

 

 石の鳥居を一礼して潜り、更に石段奥に拝殿が見える。

 

 不思議なのは夏真っ盛りなのに、蝉の鳴き声が全く聞こえない。

 

 いやこの地に限らず、今年、蝉の鳴き声を聞いたのはホンの数回。

 

 七年間、土の中にいる間に環境が変わってしまったのだろうか?

 

 夏!と云えば

 

 ♬ ひまわり 夕立 蝉の声 

 

 と拓郎も歌っていたけど、この頃『夕立』も無いなぁ。